こんにちは、ふぁんたろーです。
仕事をしていると、上司からこんなことを言われた経験はありませんか?
「もっと視座を高く持って」
「本質を理解して」
「もう少し目的から考えて」
僕は何度も言われてきました。
でも、当時は正直、「それって具体的にどういうこと?」という感じでした。
自分ではちゃんと考えているつもりなんです。目的も書いている。戦略も考えている。やることも整理している。それなのに「本質が分かっていない」と言われる。
上司に「もっと具体的に」と言われても、自分では書いていることが全てなので、何をどう直せばいいのかもよく分かりませんでした。
今振り返ると、僕が身につけるのに時間がかかったのは、資料作成や報告のテクニックではありません。
物事を見る目線そのものを変えることだったと思います。
目の前の仕事を見るのではなく、
- そもそも何を達成したいのか?
- この戦略を実行すれば、本当に目的に届くのか?
- 今やっているこの作業は、最終的に何につながっているのか?
という、一段高いところから仕事を見る感覚です。
僕自身、この感覚が分かるまで10年近くかかりました。
この記事を読んだからといって、明日から急に「視座が上がる」とは思いません。
ただ、僕が10年かかって理解したことを知ることで、同じところにたどり着くまでの時間を少しでも短くできたらいい。
そして、今までとは少し違う目線で仕事を見るきっかけになればと思っています。
この記事を読んで得られること
ビジネスにおける「本質」に近づくためのふぁんたろーの経験から特にビジネス戦略などを作るときに使えるメソッドを紹介、目的の本質と、目的を達成するために必要な要素を分解して考えられるようにすることで仕事のパフォーマンスが一気に上がります。
ちなみにふぁんたろーはこの内容をちゃんと自分で理解するのに10年以上かかりました汗
- 「目的・戦略・手段」の違い
- それぞれを因果関係でつなぐ方法
- 売上目標を具体的な営業活動まで分解する方法
- 計画がうまくいっているか途中で確認する方法
- 上司への報告がなぜうまくなるのか
「本質が分かっていない」と言われ続けた
僕の会社では、半期の評価項目の中に、「物事の本質を見極められたか」という項目があります。
入社してから、上司とのレビューでもよく言われました。
「本質の理解が足りない」
特に業務計画を作るときです。
基本的には、目的 → 戦略 → 戦術・手段の順番で計画を作ります。
自分としてはちゃんと書いているつもりなのですが、レビューすると、
- 「目的が不明瞭」
- 「その戦略で本当に目的を達成できる?」
- 「目的と戦略がつながっていない」
- 「戦術がチープ」
と何度も直されました。
でも当時の僕としては、「いや、書いてあるじゃん」なんですよね。
今思えば、形だけは「目的・戦略・手段」になっていても、3つがちゃんとつながっていなかったんです。
資料は完成する。でも、自分では作れなかった
入社して10年くらい経ち、チームの中堅として戦略を作るようになった頃。
上司にレビューしてもらうと、何度もやり直しになりました。
言われたところを直す。またレビューする。また直される。
これを繰り返すと、最終的にはちゃんとした資料が完成します。
でも、自分で理解して完成させたわけではありません。
上司が正しい方向に修正してくれたから完成しただけ。同じテーマを一人でゼロから作れと言われたら、おそらくまた同じところでつまずいていたと思います。
転機になった昇進試験
数年後、上級職への昇進試験を受けることになりました。
試験では、自分のチームが抱える課題と、その対策をプレゼンします。当然、昇進がかかっています。
このときは完全に自分ごとでした。
自分で課題を考え、対策を考え、上司にレビューしてもらう。それでも何度も直されました。
ただ、それまでと違ったのは、「なぜ直されるのか」を自分でも考えるようになったことです。
最終的にプレゼンを完成させ、試験にも無事合格しました。
その頃を境に、実際の業務でも変化が出てきました。戦略を作ったときに、上司から大きく直されることが減ってきたんです。
ようやく、目的・戦略・手段の因果関係が自分の中で少しずつ分かるようになっていました。
目的・戦略・手段は「並んでいればいい」わけではない
例えば、こんな営業計画があったとします。
目的:年間売上10億円を達成する
戦略:注力顧客に営業活動をフォーカスする
手段:重要顧客10社を選び、徹底的に訪問する
どうでしょう。一見、それっぽく見えませんか?
昔の僕なら、「ちゃんと目的、戦略、手段に分かれている」と思っていたはずです。
でも、逆から見てみます。
重要顧客10社を訪問したら、本当に「注力顧客へのフォーカス」という戦略が達成されるのか?
これはかなり似たことを言っているだけです。
では、注力顧客にフォーカスしたら、本当に売上10億円になるのか?
これはもっと分かりません。売上10億円との間に数字的なつながりがないからです。
つまり、活動していることは分かる。でも、その活動を続けた結果、最終的なゴールに届くのかが分からない。
これが昔の僕がよく作っていた計画でした。
↓
注力顧客にフォーカス
↓
重要顧客10社へ訪問
「で、本当に10億になる?」
↑
30億円のパイプライン
↑
60件の見込み案件
↑
100社をターゲット
「下から数字で説明できる」
上から作って、下から検証する
今の僕は計画を作るとき、上から作って、下から検証するようにしています。
まず、目的 → 戦略 → 手段の順番で考えます。
ただし、完成したら逆向きに見ます。手段 → 戦略 → 目的です。
「この手段を実行すれば、本当に戦略が達成できる?」
「この戦略を達成すれば、本当に目的に届く?」
これを一つずつ確認します。
売上10億円
30億円のパイプライン
ターゲット選定・担当・アプローチ
↑ 下から検証する
具体的に達成可能な戦略への落とし込み方
ここから少し具体的な数字で考えてみます。
目的を、1年間で売上10億円とします。
過去の営業実績から、見込み案件の受注率がおよそ33%だと仮定します。
30億円 × 約33% ≒ 10億円
つまり、目的「売上10億円」に対して、戦略は30億円の有効なパイプラインを作るになります。
これなら数字がつながっています。
ちなみに、受注率を30%とするのであれば、10億 ÷ 30% = 約33.3億円必要です。
30億円のパイプラインから10億円を作るのであれば、前提となる受注率は約33%。こういう数字の整合性まで見ることが大切です。
30億円の案件をどう作るのか?
次に30億円を分解します。
例えばターゲット顧客を100社選びます。
| 顧客層 | ターゲット | 想定案件単価 | 見込み案件数 | パイプライン |
|---|---|---|---|---|
| 大型顧客 | 20社 | 1億円 | 15件 | 15億円 |
| 中型顧客 | 30社 | 5,000万円 | 20件 | 10億円 |
| 小型顧客 | 50社 | 2,000万円 | 25件 | 5億円 |
| 合計 | 100社 | 60件 | 30億円 |
これなら、100社にアプローチして、60件・30億円の見込み案件を作るというところまで具体化できます。
30億円 ÷ 60件なので、平均案件単価は5,000万円。受注率約33%なら、60件 × 約33% ≒ 20件。20件 × 5,000万円 = 10億円です。
つまり、
100社へアプローチ
↓
60件を案件化
↓
30億円のパイプライン
↓
約20件受注
↓
売上10億円
までつながります。
もちろん、実際の営業はこんなにきれいにはいきません。大型案件の受注率と小型案件の受注率も違うでしょう。
ここで重要なのは、数字を正確に予言することではなく、「今やっていることを積み重ねれば、本当に10億円につながる」と説明できる状態にすることです。
戦略が決まったら、手段は「誰が・どこに・いつまでに」
次は手段です。
100社すべてを一人で回る必要はありません。
僕の場合、販売パートナーやリセラーと一緒にビジネスをすることも多いので、
- 自分で攻略する顧客
- チームメンバーに任せる顧客
- リセラーに任せる顧客
を分けます。
さらに、「誰が」「どの顧客に」「いつまでに」「どうやって」アプローチするかまで決めます。
ここまで来ると、戦略が日々のタスクに変わります。
1年後に答え合わせでは遅い。3か月後に軌道修正する
そして、もう一つかなり重要なのが、途中のチェックポイントを作ることです。
年間計画を作って、1年後に「10億いきませんでした」では遅いですよね。
だから途中に、「ここまで進んでいれば、この戦略は今のところ機能している」という基準を置きます。
今回の例なら、最初のチェックは3か月後。
僕なら主に2つを見ます。
パイプライン10億円
年間で30億円必要だからといって、3か月で単純に4分の1の7.5億円、とは考えません。
営業は案件を作ってから受注するまで時間がかかります。後半に売上を作るには、前半で早めに案件を仕込んでおく必要があります。
そのため今回は、3か月時点で10億円を一つの目安にします。
ターゲット100社中50社へアプローチ
もう一つは活動の進み具合。
100社のターゲットに対して、3か月で50社までアプローチできているかを見ます。
案件数そのものは、この段階ではそこまで重視しません。
まず、パイプライン金額と、ターゲット顧客へのアプローチ進捗を見る。
売上10億円 / パイプライン30億円
3か月チェック
- パイプライン:10億円
- アプローチ:100社中50社
原因分析 → 軌道修正
- ターゲットの入れ替え
- 大型案件への比重変更
- チームへの再配分
- リセラー活用拡大
- アプローチ方法変更
未達なら「もっと頑張る」ではなく、戦略を見直す
例えば3か月後。
計画では、パイプライン10億円、50社へアプローチのはずだった。
ところが実際には、パイプライン5億円、30社へアプローチだったとします。
ここで、「来月はもっと訪問件数を増やそう!」だけで終わってしまうと、また手段だけを見ています。
なぜ遅れているのかを考えます。
- ターゲットが悪かったのか
- 大型案件になりそうな顧客が少なかったのか
- 自分一人で抱えすぎたのか
- リセラーを使えていなかったのか
- 想定案件単価そのものが現実とズレていたのか
原因によって対策は変わります。
見込みの薄い顧客を外す。大型案件が期待できる顧客を追加する。自分の担当をチームへ振る。リセラー経由のアプローチを増やす。必要なら戦略そのものも見直します。
つまりチェックポイントは、進捗を報告する日ではありません。
「このまま行けば目的に届くのか?」を確認して、軌道修正する日です。
この考え方が分かると、報告まで変わった
この考え方が身についてから、もう一つ大きく変わったことがあります。
上司への報告です。
昔のウィークリーミーティングでは、
「今週A社へ行きました」
「B社ではこんな話をしました」
「C社はまだ返事がありません」
というところから話していました。
自分としては、一週間頑張った内容をちゃんと報告しています。
でも上司はあまり聞いてくれません。
当時は「ちゃんと説明してるのに」と思っていました。
今なら理由が分かります。
上司が知りたいのは、「で、10億達成できそうなの?」だからです。
A社へ行ったことそのものには、あまり意味がありません。
今ならこう報告する
例えば今なら、
「年間売上10億円が目標です」
「そのために必要な30億円のパイプラインに対して、現在10億円です」
「ターゲット100社のうち50社までアプローチできています」
「現時点では3か月計画通りです」
と最初に話します。
そのあと、
「A社は1億円規模で案件化しそうです」
「B社は難しそうなので、次の四半期でターゲットから外します」
と詳細に入ります。
昔は、手段 → 手段 → 手段でした。
今は、目的への進捗 → 戦略への進捗 → 問題 → 詳細です。
言ってしまえば、報告ベタな人から、報告がうまい人に変わったと思います。
でも「結論ファースト」という話し方だけを覚えたわけではありません。
そもそも、仕事を見る順番が変わったんです。
以前書いた「短時間でプレゼン作成する秘訣、プレゼン骨子の作り方」でも、結論→背景→具体例の順番を紹介しています。
今回の考え方は、そのさらに手前にあるものだと思います。
そもそも目的や結論そのものを正しく捉えられていなければ、結論ファーストにしても良い報告にはなりません。
「視座を高く持て」だけでは、なかなか分からない
20代後半から30代くらいになって、ある程度仕事ができるようになった人でも、報告があまりうまくない人は結構いると思います。
本人はちゃんと仕事をしている。知識もある。行動量もある。
でも、「何をやったか」から話してしまう。
昔の僕がまさにそうでした。
そんな人に、「もっと視座を高く」「本質を考えて」と言っても、なかなか分かりません。
僕自身、それを何度言われても理解できませんでした。
僕が10年かかったことを、もっと短い時間で
僕がこの物の見方を理解するまで、かなり時間がかかりました。
でも今なら、少なくとも考えるときの入口は説明できます。
まず、目的 → 戦略 → 手段で作る。
そして、手段 → 戦略 → 目的と逆に確認する。
途中にチェックポイントを置いて、「このまま進めば目的に届くのか?」を見る。
届きそうになければ、手段だけでなく、戦略自体も見直す。
これを何度も繰り返します。
まとめ
仕事ができるようになるために必要なのは、タスクをたくさんこなすことだけではないと思っています。
今やっていることが、最終的に何につながっているのか説明できること。
そして、途中でズレに気づき、自分で軌道修正できること。
僕にとって、それが「本質を見る」ということの一つです。
僕自身、ここまで来るのに10年近くかかりました。
この記事を読んだことで、明日から一瞬で仕事の見え方が変わるわけではないと思います。
それでも、「あ、自分は今、手段だけを見ていたかも」と気づく瞬間が一つでもあれば、そこから見え方は少しずつ変わってきます。
僕が10年かかったところに、もっと短い時間でたどり着いてほしい。
この記事が、そのきっかけになれば嬉しいです。
補足:この考え方に近いフレームワーク
今回紹介した「上から作って、下から検証する」という考え方は、戦略目標の因果関係をつなぐStrategy Mapや、「活動をしたら何が起き、その結果どうなるか」をつなぐLogic Modelにも近い考え方です。
ただ、この記事では理論そのものよりも、実際の仕事でどう使うかを中心に書いています。
理論を知ってから実践するというより、「自分が仕事の中で身につけてきた考え方を調べてみたら、既存の理論ともかなり共通していた」くらいの位置づけで読んでもらえればと思います。

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