こんにちは、ふぁんたろーです。
部下育成について、よくこんな言葉を聞きます。
「まずは自分で考えさせる」
「分からないことは自分で調べさせる」
「答えをすぐ教えると成長しない」
たしかに、この考え方にも一理あると思います。
でも今の僕は、かなり逆の考え方をしています。
分からないなら、まず聞いてほしい。
自分が持っているスキルやノウハウは、できるだけ早く全部渡したい。
そして、できれば早く僕を超えてほしい。
これが今の僕の部下育成に対する考え方です。
なぜそう思うようになったのか。
そこには、自分自身が若い頃に「分からないまま仕事をしていた」経験があります。
この記事で伝えたいこと
僕自身、若い頃から上司に、
「もっと本質を考えて」
「視座を高く持って」
「もっと具体的に」
と何度も言われてきました。
でも当時は、正直何を言われているのかよく分かっていませんでした。
最終的には上司に何度も資料を直してもらい、言われた通りに修正すれば完成する。
ただ、その考え方自体は自分の中に残っていない。
だから次に似た場面が来ると、また同じように分からなくなる。
僕自身、仕事の見方を変えるのにかなり長い時間がかかりました。
だから今は、自分が10年以上かけて身につけたことを、部下に同じ時間をかけて覚えてもらう必要はないと思っています。
自分が知っているなら、全部渡す。
そのうえで早く僕を超えてもらい、今度は新しいやり方をチームに返してもらう。
そうすることで、自分一人の能力を、組織全体の能力に変えていく。
この記事では、そんな僕なりの部下育成の考え方について書いてみます。
「分からない」のに、分からないと言えなかった
僕は若い頃、上司からよく言われていました。
「本質を理解して」
「もっと具体的に」
「視座を高く持って」
でも当時の僕には、その意味がよく分かっていませんでした。
自分ではちゃんと考えているつもりなんです。
資料も作っている。戦略も考えている。目的も書いている。
それでも何度も直される。
最終的には、上司の指摘通りに修正していけば資料は完成します。
でも、ここに大きな問題がありました。
資料は完成するけれど、自分の中に考え方が残っていない。
「何を直せばいいか」は分かる。
でも、「なぜそう直すのか」を理解していない。
だから次に似たような資料を作ると、また同じところでつまずきます。
今振り返ると、かなり遠回りしていました。
当時の自分なら「一緒に考えてほしかった」
では、当時の自分は上司にどうしてほしかったのか。
振り返ると、一緒に考えてほしかったというのが一番近いと思います。
単に「ここが違う」で終わるのではなく、
- なぜ違うのか
- どういう順番で考えればいいのか
- 何を判断基準にすればいいのか
まで、一緒に整理してもらえたら、もっと早く理解できたかもしれません。
ただ、今自分がマネージャーになってみると、考え方は少し変わりました。
今は、一緒に考えるだけでなく、答えまで渡してしまっていいと思っています。
「自分で調べろ」だけでは時間がかかりすぎる
日本の職場では、
「そんなことは自分で調べろ」
「先輩のやり方を見て覚えろ」
「まずは自分で考えろ」
という育て方は、今でも珍しくないと思います。
僕自身も、そうやって仕事を覚えてきた部分があります。
でも今は、このやり方に少し疑問を持っています。
理由はシンプルで、習得までに時間がかかりすぎるからです。
よく例に出すのが、寿司職人の修行です。
昔ながらの寿司職人には、親方の背中を見ながら長い時間をかけて技術を身につける、というイメージがあります。
もちろん、経験を重ねないと身につかないものもあると思います。
でも今は、専門スクールなどで、従来なら長い時間をかけて覚えていた基礎技術や知識を体系的に学ぶこともできます。
つまり、知識や型を最初から渡せば、スタート地点を前にずらせる。
これはビジネスでも同じだと思っています。
即戦力が欲しいなら、ノウハウを隠している場合ではない
会社が部下に求めているのは、
「10年後に一人前になってくれればいい」
ということではないはずです。
できるだけ早く戦力になってほしい。
だったら、上司や先輩が10年、20年かけて身につけたノウハウを、部下にもゼロから同じ時間をかけて学ばせる必要はありません。
自分が知っているなら、渡せばいい。
考え方も。やり方も。失敗例も。近道も。
僕は今、部下に、「分からないことがあったら、何でも聞いて」と伝えています。
周りから「そんなことは自分で調べろ」と言われたとしても、「僕には聞いていい」と伝えています。
僕が10年以上かけて得たものを、同じ時間をかけて覚えてもらう必要はないと思っているからです。
「全部教えたら、自分の価値が下がる」は本当か
ここまで読むと、
「そんなに全部教えたら、自分の価値がなくならない?」
と思う人もいるかもしれません。
これは、管理職になると意外とある感情だと思います。
能力の高い部下は欲しい。即戦力になってほしい。
でも、自分より能力の高い人にはなってほしくない。
ちょっと矛盾していますよね。
僕はむしろ逆です。
早く自分を超えてほしい。
と思っています。
自分が10年以上かけて作ったスキルやノウハウは全部渡す。
まず、自分と同じレベルまで早く来てもらう。
その先で、もっと効率のいいやり方、もっと生産性の高いやり方、自分にはなかった新しい考え方を見つけてもらう。
そして、それを今度は僕やチームに返してもらう。
それが理想です。
個人の能力を、組織の能力に変える
ここが、この記事で一番伝えたい部分です。
部下に自分のノウハウを教えることは、自分の能力をコピーすることではありません。
僕は、自分の能力を、組織の能力に変えることだと思っています。
自分一人だけができる。自分だけが判断できる。自分だけが顧客と交渉できる。
一見すると、すごく価値の高い人に見えるかもしれません。
でも組織として考えると弱いんですよね。
その人が休んだら止まる。異動したら止まる。判断してくれないと前に進まない。
それよりも、自分と同じレベルで判断できる人が2人、3人、5人と増えた方が、チームとして圧倒的に強い。
チーム研究でも、情報共有はチームのパフォーマンスや知識統合などと関連することが報告されています。
つまり、知識を抱え込むより、共有してチームで使える状態にした方が成果につながりやすい。
僕自身の経験からも、この考え方にはかなり納得感があります。

部下が自分を超えると、結局自分にも返ってくる
では、部下を早く成長させることは、上司にとって何がいいのか。
まず単純に、自分が全部やらなくてよくなります。
全部判断しなくていい。全部顧客対応しなくていい。全部レビューしなくていい。
でも、僕が考える「還元」は、それだけではありません。
部下が成長すれば、チーム全体の成果が上がります。
チームの成果が上がれば、より大きな仕事を任せてもらえる。
組織も大きくできる。
自分自身が担える役割も大きくなる。
つまり、部下を育てることは、自分の仕事を奪われることではなく、自分の仕事のスケールを大きくすることでもあると思っています。
マネージャー自身がチームで一番仕事ができる必要はない。
むしろ、チームとして一番成果が出る状態を作れることの方が重要だと思っています。
恩返しは、同じ形で返ってこなくていい
もちろん、
「全部教えたら本当に自分に還元されるのか?」
という部分については、僕自身まだ検証途中です。
必ず新しいノウハウとして返ってくるとは限りません。
でも、それでいいと思っています。
部下が成長する。チームの生産性が上がる。自分がやらなくていい仕事が増える。より大きな仕事をチームで任せてもらえる。組織が強くなる。
これら全部が、広い意味での還元です。
だから僕は、教えることは損ではないと思っています。
「分からない」を放置しない
部下が何かで止まっているとき、
「まず自分で考えて」
と言うのは簡単です。
もちろん、自分で考える力は必要です。
でも、本当に分からない状態の人に「もっと考えろ」と言い続けても、同じところをぐるぐる回ってしまうことがあります。
昔の僕がまさにそうでした。
だから今は、
まず答えを渡す。
考え方を渡す。
判断基準を渡す。
失敗例も渡す。
そのうえで、「次は自分でやってみよう」でいいと思っています。
まとめ
僕は、部下育成で大事なのは、できるだけ早く、自分を超えてもらうことだと思っています。
そのために、
- 「分からない」を放置しない
- 聞かれたら答える
- ノウハウを隠さない
- 考え方や判断基準まで共有する
- 失敗例も渡す
- 自分が何年もかけて得たものを、できるだけ短時間で渡す
これを意識しています。
部下に全部教えたら、自分の価値が下がる。
僕はそうは思いません。
自分だけができることを増やすより、自分と同じレベルでできる人を増やした方が、チームは強くなる。
そして、その人たちが自分を超えたとき、新しい知識ややり方がチームに戻ってくる。
それが積み重なって、個人の能力が、組織の能力に変わっていく。
僕が今考えている部下育成は、そんなイメージです。

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