はじめに|「売らなかった」からこそ、商談はうまくいった
初回商談で成果が出る営業は、
実は「話がうまい人」でも「商品説明が上手な人」でもありません。
私自身、これまで数多くの商談をしてきましたが、
うまくいった商談の共通点はとてもシンプルでした。
それは――
「売ろうとしなかったこと」
この記事では、
実際にうまくいった初回商談の事例をもとに、
なぜその商談が前に進んだのかを分解して解説します。ふぁんたろー自身の成功事例も後半にまとめていますので良かったら参考にしてください。
成功したポイント①:最初に“役割”を明確にした
商談冒頭で、私はこう伝えました。
「今日は売り込みではなく、
まず御社の状況を理解する時間にしたいと思っています。」
この一言で、場の空気が変わります。
✔ 相手は構えなくなる
✔ 防御モードが解除される
✔ 本音を話しやすくなる
営業がやりがちな
「今日は○○のご紹介で…」
という入り方は、ここで一気に警戒されます。
成功したポイント②:質問は“課題”ではなく“状況”から
よくある失敗質問:
❌「今、何か課題はありますか?」
これは抽象的すぎて、ほぼ答えが返ってきません。
その代わりに使ったのがこちら。
「最近、○○の運用って変わりましたか?」
「以前と比べて、手間が増えた部分ってあります?」
すると相手はこう答えてくれました。
「そういえば最近、〇〇がちょっと大変で…」
ここから自然に課題が出てきます。
ポイントは
👉 “課題を聞く”のではなく、“状況を聞く”こと
成功したポイント③:他社事例は“説得”ではなく“選択肢”として出す
よくある失敗パターン:
「他社ではこうしてますよ」
→「うちは違います」
これ、かなり多いです。
この商談ではこう言いました。
「あくまで一例ですが、
同じような立場の会社さんだと、こういうやり方もありました」
すると相手は、
「それ、うちにも当てはまるかもしれないですね」
と、自分から話を広げてくれました。
✔ 正解を押しつけない
✔ 判断は相手に委ねる
✔ でも“考える材料”は渡す
これが大きな違いです。
成功したポイント④:売らないことで、逆に次の商談が決まる
この商談では、最後にこう伝えました。
「今日は無理に何か決めなくて大丈夫です。
一度整理して、必要そうならまた話しましょう。」
結果として、
✔ 後日、相手から連絡
✔ 追加打ち合わせの依頼
✔ 最終的に案件化
という流れになりました。
うまくいった理由を整理すると
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| ① | 役割を「売り手」ではなく「整理役」にした |
| ② | 課題を聞かず、状況から引き出した |
| ③ | 他社事例を“正解”として出さなかった |
| ④ | 売らない姿勢が信頼につながった |
初回商談で一番大事なのは「売らない勇気」
初回商談で成果が出る人ほど、
-
話さない
-
押さない
-
決めさせない
という共通点があります。
そして結果的に、
✔ 信頼され
✔ 次につながり
✔ 受注に近づく
という流れが生まれます。
【実体験】初回商談がうまくいった理由
―「営業」ではなく「サイバーセキュリティのアドバイザー」になった話―
はじめに|営業っぽさを消したら、商談が一気に楽になった
ふぁんたろー自身、最初から商談うまくいったわけではありません。
色々な先輩や上司から様々なパターンの営業ノウハウを聞かされ、自分自身で試行錯誤していった結果、今回の記事の内容に収まっています。
初回商談がうまくいくようになったきっかけは、トーク術でもクロージングでもありません。
自分の立場を変えたことでした。
それまでの私は、
無意識のうちに「営業としてどう提案するか」を考えていました。
しかし、ある時から意識的にこう名乗るようにしました。
「私はサイバーセキュリティのアドバイザーとして色々なお客様と意見交換させていただいてます」
この一言で、商談の空気が大きく変わりました。
ポイント①「売る人」ではなく「アドバイザー」に立場を変える
営業色が出ると、相手はこう思います。
-
何か売られるのでは?
-
都合のいい話をされるのでは?
-
本音を言うと不利になるのでは?
そこで私は、
あえて“売らない立場”を先に明確にするようにしました。
実際に使っていた言い方
「今日は製品の話というより、
最近のサイバー攻撃の傾向や、他社さんがどんなところで困っているかを共有できればと思っています」
この時点で、相手の警戒心が一段下がります。
ポイント②:営業でも“技術の基礎知識”は必須だった
ただし、ここで重要なのが一点。
👉 知識がないとアドバイザーにはなれない
ということです。
私は以下のような内容を、最低限説明できるレベルまで学びました。
-
最近増えているサイバー攻撃の種類
-
侵入経路(メール/VPN/脆弱性など)
-
ランサムウェアの仕組み
-
実際に起きている被害事例
-
どこまでが「対策できていて」、どこが「盲点」か
※ 技術者レベルの深さは不要ですが、
「なぜ危ないのか」を言語化できるレベルは必須です。
ポイント③:「売らない情報提供」が次の商談を作る
商談では、こんな話をしていました。
「最近は〇〇経由の侵入が増えています」
「このタイプの攻撃は、実は気づかれにくいんです」
「ランサムウェアって、感染より“侵入後”が本当の問題で…」
ここで重要なのは👇
✅ 自社製品の話はしない
✅ 解決策を押しつけない
✅ あくまで“情報提供”に徹する
そして最後にこう伝えます。
「また新しい動きがあれば共有しますね。何かあれば、いつでも聞いてください。」
この一言で、
-
次回アポの心理的ハードルが下がる
-
「営業」ではなく「相談相手」になる
-
定期的に会える関係ができる
という状態になります。
ポイント④:何度か会ううちに「本当のタイミング」が見えてくる
面白いのはここからです。
何度か情報提供を続けていると、自然と分かってきます。
-
今は予算がない
-
来期に検討しそう
-
そのうちトラブルが起きそう
-
実は裏で困っている
つまり、
「売れるタイミング」が向こうから見えてくる
状態になります。
この段階で提案すると、
-
話が早い
-
価格の話になりにくい
-
比較されにくい
という理想的な流れになります。
なぜこのやり方がうまくいったのか?
理由はシンプルです。
| 従来の営業 | 今回のやり方 |
|---|---|
| 売る前提 | 支援する前提 |
| 商品軸 | 業界・課題軸 |
| 短期勝負 | 中長期の信頼 |
| 提案ありき | 情報提供から |
結果として、
**「営業」ではなく「頼れる人」**になれたことが最大の成果でした。
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